個人事業から法人へ切り換えるメリットを紹介!

個人事業から法人へ切り換えるメリットを紹介!

個人事業主なら誰もが考える法人化。本当に節税できるのか、どんなメリットがあるのか。この記事では、個人事業から法人へ切り換えるメリットをご紹介したいと思います。

1.法人化したら節税になるのか?

法人化したら節税になるのか?

法人化とは、個人事業主が株式会社などの法人を設立することを法人化または法人成りといいます。法人成りとは新たに会社を設立後、個人事業から法人に資産や負債が引き継がれること意味しています。

法人には4種類あり株式会社・合同会社・合資会社・合名会社という会社組織を設立できます。法人化を考える場合、ほぼ株式会社か合同会社のどちらかなるでしょう。

個人事業主と法人で税金が変わるので、一定額以上の収入があれば法人の方が節税できます。注目したいのは所得金額に対しての税率です。個人事業主の場合、所得税は所得金額によって5%~45%まで変わります。高所得ならの所得半分を税金として納めなければいけない場合もあるんですね。

法人の場合、法人税が個人事業主の所得税にあたります。法人税は個人事業の所得税とは違って税率がそれほど上がりません。つまり1年間の所得金額が同じでも、個人事業主だったら半分が税金になるところを法人なら節税できる可能性があるということです。なので、法人化を考えるなら個人事業の場合にかかる所得税率と法人化した場合にかかる法人税率を比べてみる必要があります。

2.どのくらい節税できるのか?

どのくらい節税できるのか?

法人になれば給与所得控除を利用できるというメリットもあります。給与所得控除とは給与に対して一定額の税金の負担を減らしてくれる仕組みです。サラリーマンは給与所得控除によって収入の一部の税金が免除されています。法人化すれば、給与所得控除を自分(社長)も利用できます。

給与所得控除を利用するとどんなメリットがあるのでしょうか。
ポイントは所得税は所得金額によって変わりますが、給与所得控除を利用する事で、所得税を減らせるという点です。

例えば個人事業主の場合、1,000万円の売り上げと400万円の経費がかかったとします。所得金額の600万円から所得税を計算しますので約70万円が所得税となります。

法人の場合、同じように1,000万円の売上と400万円の経費がかかったとして、600万円を自分(社長)の給与にする事ができます。給与から給与控除を計算すると約174万円になります。もともと600万円の給与から174万円を引いた426万円が所得金額となります。所得金額426万円から所得税を計算すると約35万円となります。これだけでも35万円の節税になってますが、住民税や個人事業税など細かく計算していくとさらに節税になる事がわかってきます。

3.個人から法人にする4つのメリット

個人から法人にする4つのメリット

節税って大丈夫なの?と心配になる方もおられるかもしれませんが、法人化して節税することは決して違法なことではありません。むしろ法人化のメリットを正しく理解して賢く節税しましょう。では、法人化メリットをさらに4つご紹介します。

法人なら最大10年赤字を繰り越せる

あまり考えたくはないですがいつ何があるかわかりません。もし年間利益が赤字(損失)になってしまった場合、個人事業か法人かで大きな違いがあります。

個人事業でも法人でも青色申告と確定申告(損失申告)をしていれば赤字を繰り越す事ができますが、個人事業主の場合は3年間のみ、法人の場合は最大10年の繰越しが可能です。

赤字を繰り越しが出来ることはとても重要です。繰り越しが出来る場合、例えば1億の損失が出ても、次の年で1億の利益があればプラスマイナスゼロとなります。その次の年にまた1億円の損失が出ても繰り越せるので、1億の利益を出せばプラスマイナスゼロとなります。毎年1億の損失と利益を繰り返せばずっとプラスマイナスゼロの状態です。

もし繰り越しができなかった場合、毎年1億の損失と利益を繰り返すとどうなるでしょうか。同じように1億の損失が出て次の年で1億の利益が出た場合、1億の利益に対して税金かかってくるので収入は1億より少なくなります。これを繰り返すと、収入より損失の方が大きくなっていきます。

誰も損失を出したいとは思いませんが最大10年間の繰越しが出来る法人は大きなメリットです。

家族に役員報酬を支払う事ができる

所得税は所得金額によって変わってきますので、所得を減らせば所得税の税率の抑える事ができます。法人であれば家族に役員報酬を支払う事ができるようになります。自分(社長)が1人で全額を受け取るのではなく、妻や子供に役員報酬を支払う事で所得を分散させると、家族全体の収入は変わらずに税金を抑える事ができます。

退職金を受け取れる

個人事業であれば、その仕事をやめたとしても退職金を受け取ることはできませんが、法人であれば会社から自分や家族従業員に退職金を支給できるようになります。退職金は退職所得になり退職所得控除が適用されるのでかなり節税になります。

また、退職金は分離課税になり税金は給与所得と分けて計算されます。そのため低い税率に抑える事ができます。

信用度が高くなる

個人事業を始めたばかりであれば、実績がないため銀行からの融資を受けれなかったり、クレジットカードを作れなかったりします。しかし、法人であれば信用度が上がりますし、採用面でもいい人材を探しやすくなります。

4.まとめ

ある程度の利益があるのであれば法人化を検討するメリットは多いにあります。しかし、全ての個人事業主が法人化した方がいいわけではありません。自分のビジネスを良く分析し、法人化した場合のメリットをしっかりシュミレーションしてから決定しましょう。

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